入熱パス間温度管理について


地震大国である日本では、建築物に非常に高い耐震性能が求められています。
鉄骨構造の建物の接合部には、溶接が非常に多く施されています。
溶接個所の精度が耐震性能を決定するので、溶接部に要求される性能はより高くなってきています。
そのために鉄骨にはじん性(靭性)が求められます。
靭性とは、鉄骨の粘り強さを言います。たわんで粘りがあり外力が加わっても耐える鉄骨を製造しないといけません。
靭性を損なわないようにするには、鉄を急に熱しすぎたりさせてはいけません。鉄がカチカチになって靭性が損なわれてしまいます。

溶接金属の性能は、同じ溶接材料を使用しても溶接施工環境によって違ってきます。

入熱とパス間温度は溶接金属の性能に大きな影響を与えます

使用されるワイヤー YGW11 YGW18 それぞれに入熱パス間温度の具体的な管理値が示されています。
この管理値は、2000年の建築基準法改正に伴った鉄骨製作工場の工場認定制度の性能評価基準に規定されています。
これに基づいてエーブルコンストラクションとしては、独自の管理手法において入熱及びパス間の管理を行っています。
入熱については、経験 実験を繰り返し行い、その基準となる標準積層図を作成しその積層以上で溶接すれば管理値として定められた入熱量を超えないことが証明されました。
このことからすべての溶接線について溶接工自らが積層図を製品に記入し、これを管理者が確認することにより入熱を管理しています。
温度管理については、温度チョークを溶接工が持ち各パスごとに確認をおこなっています。
また 新たな試みとして、2つの溶接線を用意し、3パス溶接を行い次の溶接線に移ります。
それを繰り返すことにより温度管理が省略できる実験を行っています。

 

入熱パス間温度管理の様子をご覧ください。

弊社では、パス間温度測定は生産とは独立した品質管理部が行います。

 

 

 

パス間温度測定前に、鋼材の寸法に狂いが無いか確認します。

サーモクレヨンです。溶接で加熱された鋼材に当てて、サーモクレヨンが溶けるか溶けないかで、指示温度以上か以下かを判定します。

 

 

 

溶接中の電流や電圧も測定します。

 

 

 

 

非接触の温度計で温度を測定します。

 

 

 

測定員がきちんと規定通りに測定しているか、後ろから品質管理部部長の厳しい目が光ります。